令和2年5月

 外出の自粛。徐々に落ち着いて来ているように思えもするけれど、この時点での気の緩みは危険なのだろうと…!せっかくであるかして今しばらくは油断することのない振る舞いをすべきと思う。

 

 当然のことながら稽古も行えず、それぞれの自主稽古となっているが、気の緩みに加えて体も緩みもし、いざ稽古の再開となるや、体力の衰えを感じるのではないかと気を揉む。また、これだけの期間が空いてしまったことより、せっかく覚えたであろう形など、忘れてしまうのではと心配にもなる。ましてや、これから暑い時期ともなり、熱中症が懸念される中、どれだけ身が入るのだろうかと…

 

 そんな中、教範を手にした。このような時期だからこそ敢えてじっくりと…と思ったのだ。だが、あろうことかほつれがほつれを呼び、ちょっとまずい状態になってしまった。個人のものならまだしも預かっている品である。慌てて補修を試みるも、すべてのページがほつれ、ほつれてはほつれを呼ぶ。誠に困る。しかし、ほっておくことは出来ぬ!よって、地道にテープを貼るも、今度は見てくれの悪さに悩む。どうしたものか…

 

 確か、ウイルスは終息を見るのではなくして、ウイルスが存在する前提とした共存といった状態に入るだ。まぁ仕方のないことなのだろうと思う。受け入れねば…ということである。

 

 そして、ほつれも完全な修復を見るのではなく、見てくれの悪さも仕方あるまいとせねば!という状態だ。いささか心苦しくも、受け入れねば…ということで自らを納得させよう。