平成30年9月8日

鍵を開け、扉を開ける。しばしの時、誰もいなかった空間に足を踏み入れ、静まっていた時を再び動かす。

 

稽古開始前、この瞬間が好きだったりする。

 

春ならば、新鮮で穏やかな空気、夏には温められた空気にムッとなり、秋なら爽やかで心地よく、そして、冬なら皮膚に刺さるような冷たい空気に迎えられる。思わぬところで四季を感じているが、年間を通しての稽古は時に厳しく、時に辛いこともある。だが、続ける。これが簡単のようで思いのほか困難でもあり、それでいて稽古に来るは、それだけで意義があろうと思う。

 

今日は何をしよう。今日は誰が来るか。みんなの意気込みはどうか…そんなことを考えながら準備を始めるが、結局のところは予定通りには進まない。もっとも予定通りが良いのかといえばそうではない。適時、状況に合わせての対応が必要でもある。ただ、限られた時間の中、より多くのことを成し遂げたくもあり、その意味では憂うこともある。

 

だが、誰もが元気に稽古をし、輝く汗と共に挨拶をして帰る姿を目にするはこの上ない喜びとなる。どれだけのことが出来るかはわからない。しかし、稽古を続けることでの達成感、そして、元気を分けることぐらいならできる気がする。もっとも私の元気の源は、他でもないみんなの笑顔である。